NTTデータと社会保険庁の関係

「契約書作らず年800億円 社保庁、NTTデータに」


先日のゆうちょ銀行に引き続き、またNTTデータがやり玉に挙がっています。


NTTデータと社会保険庁の”グレーな”関係がとり立たされたのは今回が初めてではないので、昨今の社会保険庁の不祥事のあおりをくらったというのが業界関係者の見方ではないでしょうか。


NTTデータはその売り上げの多くを公共セクターから得ており、今後同様の”グレー”な関係が他の官公庁でも批判される可能性があると思います。


NTTデータに同情するつもりはありませんが、所謂SI業界のBIG4であるI社、F社、H社も多かれ少なかれ似たような側面があり、NTTデータの人間は「何でウチだけ」と感じているかもしれません。

NTTデータだけが悪いのか

官公庁の情報システム調達に関する問題はここ数年様々な形でとりだたされ、官公庁の側もBIG4に過度に偏った調達を改めようという姿勢が「表向きには」感じられます。


というのも、現実的にはどれだけBIG4への依存をやめようとしても、これだけ巨大なシステムの面倒を見きるには相応の規模が無いと現実的には回らないからです。


仮に複数のベンダーに委託した場合(所謂マルチソーシング)でも、一社に委託するよりも発注者側の能力と体力が必要になってきます。今の官公庁側にそのような人間がどれだけいるのかというと、殆どいません。


最近ではCIO補佐官ということで外部の民間人を招聘して調達能力を向上しようとしていますが、CIO補佐官を受託するとその官公庁のシステムを受託出来ないために、結果として「内情をよく知らない先生」のようになってしまっているのではないでしょうか。


結局、発注者側の能力・体力の無さが根本的な原因であり(勿論そこにつけこむNTTデータは論外ですが)、一方的にどちらだけが悪いという問題ではありません。

民間も官公庁も同じ構図

発注者として素晴らしい能力を持っている企業もありますが、基本的には民間も官公庁も「発注者側の能力・体力の欠如」という点ではほぼ同じ構図にあると思います。(民間の方がコスト意識がある分、ぼったくられ度が低いですが・・)


それにしても、情報システムにこれだけ依存した社会になっており、そのトラブルが組織や社会に大きな影響を及ぼしていると共に、情報システムによって事業や業務を改革していく必要性が認識されているのにも関わらず、


IT人材の重要性に対する認識があまりにも低い!!!


ということで民間も官公庁もこの手の話は当分尽きないと思います。。。